インディビジュアリストの憂鬱

発菩提心 ~悟らずして死ねるか~

目覚める86日前

海に沈みながら、境界のことを考えていた。

最初に境界を意識したのは、「痛み」だった。

痛いとかも知らなかったから、今思えばである。

つまり、赤ちゃんだった頃、寝返りをうった時に、ベビーベッドの片隅に頭をぶつけた時だ。

そのときに自分と、そうでない物の間に何かあると痛みによって感じた。

身体という境界だ。

自分は、この身体という容器に入っているのだ。

「いったい、何がはいっているのだろう?」

今だって、海に沈みながらも身体という境界は感じている。

でも、内側が自分だとも思えない。

正体が見えない。